ストと年金改革

ご無沙汰です。

この夏は色々あって、なんだかあっという間に過ぎてしまった。

そして、只今、フランスは木枯らしの吹く中、ストの真っただ中。

年金改革を推し進めようとする政府に、各労組が反発。

いつも通りの交通機関のストも、今回は無期限ストになり、かれこれ一週間続いている。

パリ市内は初日以外はほぼ影響はないものの、郊外組みの私はいまだストの影響下。

それでも、最初の数日を除いては、出勤出来る程度の目減り運転までに回復したので、少し早起きして対応。

今回はさらに、既に3週間近く続いている石油精製所のストの影響で、ガソリン不足の懸念が拡大。

報道がさらに拍車をかけるため、ガソリンスタンドには大行列となっている。

なぜって、今回は、年金改革、受給年齢引き上げだけあって、反応も過激。

特に、高校生が抗議活動に参加し、一部地域では暴動化し、警察と衝突。

大騒ぎになっているのだが、騒ぎだけが拡大して、肝心の改革の討議はどうなっているんだか。

現在のフランスの年金制度では、60歳で定年を迎えることができる。

ただし、満額受給される為には、160四半期(40年)の保険支払い期間が必要となり、60歳時点でこれを満たさない場合は、その期間に応じた支給率が適応される。

もしくは、65歳になった時点で満額受給資格が得られるので、支払期間を満たさない場合は、65歳になって初めて満額受給される。

例えば、20歳から途切れなく働いた場合、60歳で定年退職し、満額受給することができる。

が、23歳で働き始めた場合は、途切れなく働いたとしても、満額受給資格がえられるのは63歳で、60歳で定年した場合は、満額受給できない。

この定年開始年齢を62歳に変更しようというのが、今回の大筋。

当然、支払期間も延長される為、満額受給する年齢も、67歳に引き上がるということ。

当然のことながら、そんな年齢まで働けるか!という強烈な反発をうけているわけで。

確かにフランスの失業問題、年齢層は若年層とともにシニアにも重くのしかかっている。

定年開始を引き延ばした所で、会社がシニア層の雇用を維持できるのかという問題はある。

が、一方で、平均寿命の上昇と、少子化による高齢化社会に、現在の年金制度では対応できなくなっているのは事実。

保険支払い期間も、支払い額も、受給金額も現状維持、なんて出来るわけがない。

世代間扶養する今のシステムの破綻を直視しないと、お祭り騒ぎで、問題を先延ばしして終わってしまいそう。

とにかく、何かあったら、まずはスト、というのは何とかしてほしいものだが、スト好きなこの国では無理だろうなぁ。

あぁ、いつになったら交通機関が完全復旧するのかなぁ。

この記事について

このページは、こたるが18 octobre 2010 23h21に書いた記事です。

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